理事長所信・スローガン
2025年度 スローガン

新化
~新たな一歩をともに歩みだそう~
基本理念
挑戦を恐れず、変化を恐れず 常に新たな可能性を追求
基本方針
郷土活性室 若者が拓く、挑戦する郷土づくり 人財育成室 新たな一歩を踏み出すリーダーの育成 郷土増強室 郷土発展の礎となる人財の創出 未来探求室 未来を切り拓く会員拡大による組織基盤強化 組織運営室 次世代に向けた組織運営と戦略的な広報活動
はじめに

公益社団法人倉敷青年会議所
第70代理事長 榊原 浩太朗
時代は創立当時に比べると大きく変化しました。戦後社会からの復興を遂げ、高度経済成長を果たし、世界恐慌を経験し、さらには未曾有の災害に見舞われました。しかしその幾多 の変化や困難を先人たちの努力により、時代の変化に合わせ、立ち上がり乗り越え進化して きました。我々、倉敷青年会議所が創立された70年前も、まだ物質的には貧しい時代でした。その時代から、先輩諸氏が「明るい豊かな社会の実現」を目指し、常に変化する時代の 流れに対応し、青年会議所運動を実践してきました。しかし1949 年に掲げられた「明るい 豊かな社会の実現」は、2025 年において同じ言葉で表現され言葉自体は同じですが、その 具体的な内容や市民が求めるものには大きな違いがあるのではないでしょうか。当時は、第二次世界大戦後の復興期にありました。戦争の傷跡がまだ深く残る中、人々は基本的な生活 の安定と経済の回復を強く望んでいました。食料や衣類、住居などの基本的な生活必需品の確保が最優先であり、物質的な豊かさを手に入れることが「明るい豊かな社会」の象徴とさ れていました。一方、2025年の「明るい豊かな社会の実現」においては、求められるものが大きく変化しています。高度経済成長期を経た現代の日本では、物質的な豊かさは既に多くの市民にとって当たり前のものとなっています。現在では、経済的な安定に加えて、精神的な豊かさや社会的なつながり、環境の持続可能性といった要素が重視されるようになっています。具体的には、男女平等の推進、気候変動への対応、デジタル技術の活用による生 活の質の向上などが挙げられます。また、当時には存在しなかった新しい課題、例えば超少子高齢社会の対応や、デジタルデバイドの解消といった問題も 2025 年の「明るい豊かな社会」に向けて取り組むべき重要なテーマとなっています。このように、「明るい豊かな社会の実現」という言葉が持つ意味は時代とともに変化しており、その時代の背景や市民のニーズに応じて具体的な内容が異なるのです。
倉敷青年会議所はこの70年間に様々な困難に直面しても、メンバー一人ひとりが力を合わせ、地域社会と連携し、復興と再建に尽力してまいりました。このような経験を通じて、私 たちは一層強固な団体となり、多くの信頼と支援を得ることができました。 現在、私たちは新たな挑戦と変革と新化の時代を迎えています。そのような時代において、 私たちは過去の経験を活かし、紐解きこれらの課題に立ち向かうため継承すべきものと変 革すべきものを見極め、柔軟に対応することが求められます。新たな考えアイデアを積極的 に取り入れ現在の「明るい豊かな社会の実現」を目指すことが、常に社会やまちの持続可能 な発展に貢献することであり、そのために必要な事は変化を恐れず新化する事です。 変化を恐れず、変化の先の未来をしっかり見据え現在の「明るい豊かな社会の実現」を目指し青年会議所運動に邁進してまいります。
70 周年を迎えるにあたり
倉敷青年会議所は創立 70 周年を迎え、これまでの運動を支えてきた先輩諸氏の想いと情熱に感謝しています。単年度制の運営の中で「明るい豊かな社会の実現」を目指し、常に理想を掲げて活動しています。現代の急速な変化に対応するためには、過去の成功を継承しつつ、新しい時代に向けた変革も必要です。全メンバーが一丸となり、未来のビジョンを描き、その実現に向けて取り組むことが重要です。特に現代社会の混沌とした状況では、柔軟に対 応することが求められます。新たな運動や組織としての変革を進めるために、若者らしい大 胆な発想で未来を描く必要があります。また70年間の感謝を示す事業を計画しており、準備には準備特別委員会を設置し多くの時間を要し計画してまいりました。一年間を通じて スムーズな周年事業の準備を進め、より良い形で現役メンバーの士気を高める機会を提供 します。「最高の準備が最高の結果を生む」との言葉を胸に、最高の 70 周年を迎え、最高の記念式典、記念事業を行い、私たちのおもいを次世代に届けるために全力で運動します。
まちづくりについて
倉敷市の持つ豊かな歴史や文化、産業資源を活かし、地域の活性化に向けた様々な取り組みを行うことで地域の魅力を発信し、新たな発見を創出します。また、若者を引きつける環 境を整えることで、若者が集まり、地域に定着し、地域全体が活性化し、持続可能な社会が 構築されます。若者のエネルギーと新しい創造力を活かし、地域コミュニティを強化することで、家族や仲間、子どもたちが集まり、住みやすい魅力的な地域が実現します。若者を中 心とした地域の未来を明るくするまちづくり運動をしていきます。
研修について
新会員は倉敷青年会議所の未来であり、彼らに組織の歴史と文化を理解してもらい、社会人としてのモラルやマナー、JAYCEEとしてのチャレンジ精神を植え付けることが重要です。仕事や家庭とのバランスに悩むこともありますが、犠牲を払うことで得られる貴重な時間と経験を自己成長に繋げる前向きな姿勢が求められます。研修委員会は、新会員の期待と不 安を受け止め、基礎づくりを支えます。成長の機会を主体的に捉え、困難に挑む姿勢を持つことで、地域に貢献できるリーダーとして成長する人材を育成します。一人では達成できない目標も、仲間とともに取り組むことで実現できると信じ、積極的に成長の機会を提供していきます。
ひとづくりについて
ひとづくりこそが全ての原点であり、こころ動かす源となります。青年会議所では毎年組織が入れ代わることで新しい経験や苦手な分野にも挑戦でき、個々の責務を全うすること が重要です。個人が集まり、大きな力を発揮することができます。チームのために尽力する ことが自身の成長とチームの総合力を高める鍵となります。現在、核家族化や IT の発展に より人間関係が希薄になっていますが、個人の成長を促し、社会での共助意識を高めること で地域全体にポジティブな変化を生み出します。日本の共助精神を持つリーダーの育成また 地域の人々の能力を引き出す事においても、持続可能なまちづくりに貢献することができ ます。
青少年について
倉敷市が子どもたちにとって好きなまちであり続けるためには、教育や生活環境の整備、地域とのつながりの強化、子どもたちが育ちやすい環境が不可欠です。子どもたちの自立は、将来の地域社会の担い手として成長するために欠かせない要素です。子どもの自立を促進し、自然との調和を保ちながら経済的な発展を目指すためには、教育、環境、経済の三つの柱をバランスよく発展させることが必要です。青年会議所の取り組みを通じて、持続可能で魅力的な地域社会を築き、次世代が安心して成長できる環境を提供することで未来の倉敷市をより魅力的で住みやすい場所にすることができます。
総務運営・渉外について
効率的な組織運営のためには、総務運営が基盤となり、安定して機能しなければなりません。会員全体が自主的に役割を遂行し、改善点を提案する風土を作り、組織をより安定・向上させる必要があります。コミュニケーションを重視し、情報共有を促進することで、結束 力を高めます。また、適切な予算編成とコンプライアンスの意識改革が必要です。厳格な会 議運営を行い、各委員会との連携を強化し、また対外との窓口として連携を深め、必要な調整を行い、持続的な関係を築き透明性と健全性を保つことで、組織の目標達成を支えます。
広報活動について
広報活動は単に青年会議所の運動を発信し集客するだけでなく、倉敷市民の認知、賛同、参画を得るために不可欠です。広報を通じて市民に活動の想いを伝え、意識変革を促進し、まちの発展につなげることが重要です。情報通信技術の進化でSNSやWEBなど多様なツールが活用されていますが、情報過多の時代では興味を持たない人へのアプローチが難しいため、評価と分析を行い効果的な方法を模索することが必要です。広報活動を通じて倉敷青年会議所の魅力を広め、ブランディングを進め、市民や行政・団体を巻き込んだ大きな運 動に発展させることを目指します。ホームページやSNSの活用においては、受け取る側が興味を持ち共感できる情報発信を心がけ、地域での認知度向上と参画を促進します。戦略的な広報活動で倉敷青年会議所の存在感を高め、選ばれる組織を目指します。
会員交流について
近年、倉敷青年会議所では例会や委員会への出席率が低下しています。これは経済情勢の悪化が原因ではなく、組織自体の魅力を感じられず孤立感を抱く会員が増えていることが潜在的な要因です。この問題を解決するためには、月に一度の例会で会員同士の交流を深め、 倉敷の未来について語り合える環境づくりが重要です。また、「自分が主役である」との意識を持ち、真摯に活動に取り組むことで、会員一人ひとりが大切な役割を実感できるようにすることが求められます。他のLOMや団体との交流も促進し、LOM内の活性化や会員の 資質向上を図ることで、より一層の団結と発展が期待されます。
姉妹交流について
倉敷青年会議所は、国内外に姉妹提携を結んでいます。国内では 1965 年に締結した山形青年会議所とは60 年、国際的には 1985 年に締結したハワイホノルル日系人青年商工会議 所とは40年の交流があります。これにより、異なる環境や価値観に触れ、自分自身を見つ め直し、広い視野や感性を養うことができます。会員が姉妹交流を通じて得る友情や学びは、 組織の成長に貢献します。また、3JCの児島青年会議所、玉島青年会議所、とも継続的な交 流を行い、事業を通じて各青年会議所の特色を活かし、スケールメリットを得ることで地域 社会に貢献し関係を深めています。これらの交流は、会員が切磋琢磨しながら成長できる環境を提供し、団体の絆を強化します。このような長年の友情と協力関係は、先輩諸氏の努力に支えられてきた大切な宝であり、今後も継承し発展させることが重要です。これからも青年会議所間の連携を深め、会員同士の交流を促進し、持続可能な関係を築くことを目指しま す。
結びに
新しい時代の幕が上がる中、私たち倉敷青年会議所は、これまでの経験と誇りを胸に、明るい豊かな社会の実現に向けて力強く進んでいきます。どんな時代の変化にも、地域を牽引するリーダーとしての役割を果たすことが求められます。先輩諸氏から受け継いだ志を大切 にし、倉敷青年会議所のメンバー一人ひとりが「自分が主役である」という意識を持ち、自 己の利益だけでなく組織全体を考えた行動を心がけることが重要です。
変化の激しい時代にあっては、過去の成功体験を踏まえつつ、新たな課題に柔軟に対応す ることが必要です。継承すべき価値と変革すべき要素を見極め、積極的なアイデアと行動で 未来を切り拓くことが私たちの使命です。地域社会に対して危機感を持ち、必要なことを緊 張感を持って挑戦していくことで、私たちは地域と社会の持続可能な発展に貢献することが できます。「明るい豊かな社会の実現」は時代とともに変化する目標ですが、その基本的な 価値は変わりません。私たちは変化を恐れず、新化し続けることで、地域社会に寄与し、青 年会議所の理想を実現するために邁進していきます。全身全霊を傾け、力強い決意を持って、 倉敷青年会議所の会員一同、創立70周年を機に新たな一歩を踏み出しましょう。