2018年度スローガン

信念

変化を恐れず、明るい未来へ向けて共に歩もう

基本理念

明るい未来のまちのために、想いを次世代へとつなぎ、志を持って信念を貫こう

はじめに

戦後の日本の荒廃からの復興と経済成長は、主に製造業で培われたものづくりのちからによって支えられてきました。特に、自動車と家電について、高次元で実現したメイドインジャパンの品質と性能が、この国自体の信頼性や勤勉な国民性を広く世界中に周知することに大きく寄与したことは歴史的にも明らかです。爆発的な人口の増加もさることながら、日本が、1950年代からの約20年もの間、10%前後の高い水準での経済成長率を達成した要因の一つに、このものづくりのちからがあることは言うまでもありません。

日本人は、その20年間、自身がつくる製品の品質と性能をさらに進化させることに妥協をすることなく、前向きに自らの信念を持ち、勤勉に、そしてきめ細かな気配りをし、柔軟な発想をもって、ものづくりと向き合いました。このものづくりに対する姿勢があったからこそ、日本がアジアの国々の中でも最初に高度成長を遂げ、現在でも世界中から多くの信頼と称賛を得る結果につながっているのではないでしょうか。私たち日本人にとって、ものづくりという言葉は、単にものをつくるというだけではなく、歴史的に培われてきた日本人としての精神性や国民性を内包する象徴的な言葉です。つまり、日本のものづくりは、自と他の調和を図り、相手や状況に応じて柔軟に対応していく「和」の心、決して諦めない心、誇りと揺るぎない信念を持って前進する心、これらの精神によって支えられてきました。こうしたものづくりに象徴される日本人の精神性は、先人達から教えてもらうものではなく、秩序や調和を重んじる集団生活や礼儀を重んじる道徳教育によって自然と身に付いてきたものです。そして、この日本人特有の精神性を次世代へと継承していくことこそが、明るい豊かな社会の実現のために必要不可欠であると確信しています。

1949年、この明るい豊かな社会の実現を理想に、責任感と情熱を持った50人の青年たちによって青年会議所運動は始まりました。倉敷青年会議所も1955年に設立されて以降、共に向上し合い、社会に貢献しようという高い志のもと、強い意志と揺るぎない信念を持ち続け、常に変化する社会情勢と向き合いながら、地域の先頭に立って運動を展開してきました。その根底には、私たち日本人を形作るものづくりに通じる精神があったことは言うまでもありません。今を生きる私たちには、この精神のもと、脈々と受け継がれてきた伝統とこれまでの歴史に敬意を払い、先輩諸兄が紡いでこられた想いを継承していくという義務があります。そのためには、急速な時代の変化に対応すべく現状をしっかりと把握し、今何が必要とされているのかを綿密に分析して、未来を見据えた的確な行動を起こさなくてはなりません。

60年という時間を超えて引き継がれてきた強い意志と揺るぎない信念を、そして日本人としての精神をしっかりと胸に抱きながら、覚悟と確信をもって、今の時代に求められる我々にしかできない運動を展開していく、それこそが私たち青年会議所に課せられた使命なのです。

まちづくりについて

近年、個々の価値観が多様化してきていることなどに伴い、福祉、教育、環境、防災など、地域課題や市民のニーズも複雑化かつ高度化しており、十分な対応ができなくなっているように見受けられます。このような中、地域の先頭に立ち、運動を展開している我々やその他の団体が、共通の目的を果たすために、それぞれの特性を生かし、協力し合って活動し、成果や責任を共有し合う協働という形が必要とされています。より多くの市民のニーズを吸い上げ、行政や地域と協働し取り組みを重ねていくことが、明るい豊かな社会の実現につながるものと認識しています。

今自分達の住み暮らすまちがどのような課題を抱えているか、まちの現状を今一度再認識し、何が本当に必要とされ、求められているか、このまちがどのようになっていくことが良いのかという地域を巻き込んでの議論の上に、運動を展開する必要があります。地域を巻き込むことは、地域市民のまちづくりに対する意識の向上につながり、活性化を促進します。地域市民がまちづくりに関わりやすい環境を整えるためにも、我々がまず行政との意見交換の場を設け、互いの理解を深めることで、より良いまちづくり運動が可能となるのではないでしょうか。

また、地域の持つ潜在的な資源を、我々は果たして把握しているのでしょうか。改めてそれを検証する必要があります。検証した結果をもとに、実証型事業を行い、それを裏付けることが必要です。近年の積極的な運動の展開により、行政や他団体との距離が近くなってきていることは、より深みのある、多くの地域市民を巻き込んだ事業を実施する大きなチャンスではないでしょうか。

青年会議所に求められるまちづくりとは何かを時代の変化とともに自問自答し、地域とのつながりを持ち、会員が一丸となって新たなステージへ挑戦する必要があります。何事も新たな風を取り込みながら、一歩でも前進しなければなりません。劇的な変化であることだけが成功ではない、一歩でも前に進むことに意味と価値があると確信しています。

人づくりについて

今や、あらゆる分野において人口減少に伴う人材不足が深刻になりつつあります。有効求人倍率は約1.5倍程度で、すべての都道府県で1倍を超える状況が続いています。これが、地域経済の成長の足かせとなるだけでなく、担い手不足による農地・山林の荒廃などを招き、さらには医療や介護・保育などの住民生活の基盤をも揺るがすなど、地域社会の崩壊につながりかねない事態となっていると考えます。だからこそ、まちの魅力を最大限に発信し、人口流失に歯止めをかけ、地域市民の個性と能力が最大限に発揮される、一人ひとりが輝く地域社会を作る必要性があるのです。こうした地域社会の実現こそが地域を支える人づくりにつながります。地域がそれぞれの特徴を活かし、自律的で持続的な社会の創生を目指す、それらを支えるのはすべて人であり、人づくりこそが地域を活性化させ、豊かな地域を創生するための基礎だと言えます。

まちは人がつくります。まちづくりができる人を育成することも我々に与えられた使命であると考えます。まちづくりができる人とは、限られた時間の中で、自らを鍛え、地域にどのように役立つことができるのかを考え行動できる人であると考えます。

そのために先ずは地域に根ざした団体である、また地域の先頭に立って行動を起こす我々が、魅力ある団体で在り続けなければなりません。魅力ある団体とは強く、美しい心を兼ね備えた個の集合体であります。青年会議所とは、強い「個」を確立する自己啓発や修練の場であり、40歳までの青年期に培われてきた経験をもとに、地域社会に奉仕する、またその経験から仕事や日常では得ることのできない仲間や友情を得ることのできる場です。その仲間と共に様々な運動を通じて青年経済人として成長できることこそが、青年会議所の魅力であり、人生において大切な宝となります。次世代へ向けた、積極的な人づくりを行い、信念を持って対内外へ構築していきます。

青少年の健全育成について

現代におけるIT技術の発達は、インターネットを通じた様々な情報の容易かつ迅速な取得、SNS等の普及による不特定多数の他者との容易なコミュニケーションを可能にした一方で、我々が育った頃と比較して、子どもたちを取り巻く環境を大きく変化させました。外で遊ぶことが減り、ゲームやインターネット等といった、仮想的かつ疑似的な空間で人格形成期を過ごす子どもたちが増えてきています。このような環境下で、多くの情報の中何が正しいのか思考することや判断することが困難になったり、人と人の直接的な関わりが希薄になり、他者との直接的なコミュニケーションが上手く取れなくなるといった子どもが増加する懸念がすでに現実となってきています。

子どもたちは、多くの直接的な原体験をもとに成長し、その経験を自信に繋げます。それはやがて、かけがえのない財産となって、心に刻まれていきます。自分に自信を持つことは、自分を信じること、誇りを持つことにつながり、自ら考え行動できる豊かな人間力の形成につながります。そして、自らの夢や目標を持ち、自主的かつ積極的に行動を起こしていく子どもたちが育くまれます。夢や目標を持つことは未来を担う子どもたちにとって重要であり、未来を描ける環境は、自らを取り巻く環境や地域を大切にし、家庭や地域、ひいてはこの国を愛する心を育んでいきます。子どもたちは、家庭や地域の中で育まれ、我々大人の背中を見て成長していきます。希望に満ちた子どもたちの、また地域の未来に向けて、地域全体で子どもたちを育てていく必要性を伝え、我々と地域市民が子どもたちの育成の重要性を自覚し、子どもたちの手本となるよう先頭に立って率先して行動する姿を見せることこそが、未来を担う子どもたちにとって、最良な環境だと言えます。

環境問題について

1960年代の高度経済成長を経て、日本は物質的に恵まれた国になりました。その一方で、大気汚染、地球温暖化、廃棄物、資源の枯渇などといった、たくさんの地球規模の環境問題に直面するようにもなりました。これらの問題は、過剰な生産、消費、廃棄といった多くのかけがえのない自然環境が破壊され、自然生態系のバランスを崩していることにも表れています。深刻化する環境問題に対して、子どもたちそして次の世代へと美しいまちを残すために、我々はどのように考え、行動していけば良いのかを真剣に考えなくてはなりません。地域の先頭に立って運動をする我々だからこそできる取り組みを率先して行動に移すことで、環境問題に対して地域社会に変革をもたらすことができるのではないでしょうか。

防災について

近年、全国各地で地震、台風、豪雨などといった自然災害が多く発生しています。当初は想定内だと考えられていても、危機管理や備え、発生してからの対応が不十分などといった要因で、想定外となっていることも見られます。災害がいつどこで起こるかは誰も予想することはできません。我々が住み暮らすまちでも同様です。だからこそ我々は危機管理の重要性をしっかりと発信するべきだと考えます。いつ起こるかわからない災害に対して、行政や市民と連携をとり、しっかりとシミュレーションを行い、できることを模索し行動に移していきます。災害時には、日本各地に696青年会議所、約35、000人の同志と連携し、率先して行動に移せる強固なネットワークを駆使し、青年会議所としてのスケールメリットを活用した支援を行いたいと考えます。

会員の研修・育成について

リーダーとはどういう人でしょうか。リーダーとは、失敗を恐れずに何事にも本気で挑戦し、できない言い訳を探す前にできるようになる方法を前向きに模索しながら、困難や課題に直面した時は、その局面を自己成長の絶好の機会と捉え楽しめる人であるべきです。青年会議所という枠組みの中には、ただの人をリーダーへと成長させる様々な仕組みがあります。しかしながら、リーダーとしての資質は一朝一夕には身につくものではありません。地域のリーダーとして、自己を成長させるには階段を一歩一歩上って行く必要があります。己を信じ、困難に立ち向かい超えていく修練。運動や活動を通じて地域のために行動を起こし、その対価となる利益を求めない奉仕の精神。同志とともに歩み、お互いを敬い、切磋琢磨することで生まれる本当の友情。この修練、奉仕、友情という三信条を、会員にしっかりと伝え継承することが、自己成長の基盤となります。

不安と希望を抱き、このまちのために、という高い志を持って、青年会議所の門をたたいてくれた同志に、青年会議所会員は、地域のリーダーとしての信念と誇りをもって、運動を展開していることを伝える必要があります。地域のリーダーとしての信念と誇りは、他者を敬い、同じ目標に向かっての自己努力と他者への協力を惜しまず、ともに歩んでいることを感じ、より魅力的な組織に発展させたいと願い、そのうえで、自らが考え行動に移した時に生まれます。青年会議所は、まちづくり団体です。まちづくりができる地域のリーダーを育てることこそが青年会議所の大きな目的の一つです。

会員の拡大について

青年会議所運動の絶対的な基礎となるのが会員数です。会員拡大にそれほど注力しなくても会員数が増加していた時代は遠い過去の話で、近年は、人口減少に伴う中小企業数の減少に比例して全国的な会員減少が問題となっています。倉敷青年会議所ももちろん例外ではありません。私たち青年会議所は、揺るぎない信念をもってともに運動や活動を展開するチームです。このチームが力を発揮し続けることで、我々が行う運動や活動にダイナミズムが生まれ、積極的な事業の展開や地域に必要とされる運動をすることができます。ダイナミズムを生み出し、地域にインパクトを与える事業を行うにはより多くの会員が必要であります。

そのために、私たちは私たちの信念に賛同し、勇気を持って行動できる仲間を増やさなくてはなりません。この使命を果たすため、この団体に集ったメンバー全員がこの団体に対する意義や魅力を見つめ直し、同じ目標を持って積極的に会員拡大に取り組む必要があります。団体の魅力を発信することの重要性は、新会員の入会理由として紹介によるものが一番多いことからもわかります。そして、魅力ある人が団体の魅力を発信することの重要性も忘れてはなりません。そのために、本年度は在籍年数が浅いメンバーに対する青年会議所の意義や魅力の共有を促すとともに、メンバーに対する発信力の育成という会員拡大の両輪となる施策を実施します。メンバー全員が倉敷青年会議所というチームをより強いものとするために、当事者意識の醸成を図りながら、新たな手法を常に模索し、失敗を恐れず果敢に挑戦することが求められます。

広報活動について

私たちの運動や地域に対する熱い想いを広く発信し、地域市民への認知度の向上を図るために、新たな手法でホームページやSNSを活用する必要があります。私たちがどんなに情熱を傾けて運動を展開しようとも、それが地域に伝播していかなくては、それは運動とは言えないからです。地域とのつながりの強化は、我々の運動を地域に発信し、関係するすべての人とのつながりと絆を深め、地域になくてはならない団体であり続けるために、継承していかなくてはならないものです。そのために、メンバーの意識統一を図り、各種会議や例会、事業や運動、活動内容及びその成果などの魅力ある情報を地域へ発信し、青年会議所運動の認知度向上へつなげていきます。

例会について

LOMの方向性をメンバー全員で月に一度集い確認する唯一の機会である例会は、方向性の再認識の場であり、足並みを揃える貴重な場となります。だからこそ、貴重な時間を使い集まった会員が来て良かった、積極的に運動を展開しよう、と思わせるものでなくてはなりません。倉敷青年会議所の更なる発展を見据え、活性化を常に図るために、厳粛かつ緊張感のある例会運営と例会出席率の向上を徹底します。そのために先ずは、事前準備と時間厳
守を重要視します。我々は青年経済人として、あるべき姿を対内外へ見せ続けなければなりません。この厳粛かつ緊張感を持った例会運営にメンバーが携わることが、個人の成長につながり、更なるLOMの発展と活性化につながると確信しています。また、例会出席率向上を図るために、例会の意義や目的を周知するとともに、常に検証と改善を繰り返すことで、魅力ある例会運営を確立することができ、例会出席率の向上につながり、組織力を高め、LOMや地域の発展と活性化につながります。

個人の力には限界があるため、会員同士のつながりを大切にし、お互いが切磋琢磨し、固い絆で結ばれた団体にしていくことが必要です。現在、会員同士のつながりの希薄化を感じることがあります。地域に根ざした魅力ある団体として、笑顔と活力にあふれ、固い絆で結ばれ、また会員同士のつながりを密接にした魅力ある人材の集まりであればこそ、地域から必要とされ、ひいては私たちの運動を成功させることができるのではないでしょうか。

組織運営について

我々の運動の意思決定機関となる理事会や総会などの諸会議は、運動や活動をより良いものにするために、有意義で充実した議論を交わせる場でなくてはなりません。そして、我々の運動や活動、地域への思いを形にして発信するために、各委員会と密に連携をとり、強固な組織として横のつながりを構築し、さらなる発展を図るために、LOM内外を問わず、積極的かつ迅速に情報を共有、発信することが非常に重要です。

組織として健全な予算、決算の作成、事業会計が適正に行われているかの審査を行い、地域から認められる公益性、透明性、健全性を確立します。そして、公益法人として、各種事業における財政面の健全化を図るために、審査機関を設け、公益性の審査、各事業の予算の審査及び著作権を含むコンプライアンスに関して適切な助言を行います。さらに、公益法人としての認定基準の適合性を今後も維持するために、ルールに基づき情報を公開し、透明性のある会計を実施し組織の運営を支えます。

定款や諸規則を遵守した上で、ルールに沿った組織運営が行われないと、その組織は衰退の一途を辿ることにつながります。さらに、組織運営を円滑に遂行するために、組織の潤滑剤としての役割を担うことで、LOMが発展し、魅力ある人材が増え、地域の更なる発展と活性化につなげることが組織運営の鍵となるのです。

姉妹JC・友好JCについて

交流を通じて、会員相互の理解と友情を深め、さらに地域社会の産業、文化、教育の発展のために、1965年に公益社団法人山形青年会議所と、1985年にハワイホノルル日系人青年商工会議所と先輩諸兄により姉妹縁組が締結され、継続的に交流を行っています。国内外の異文化や歴史、そして多くの人との出会いや交流を通じて学びや気付きを得ることができ、倉敷青年会議所の発展に大きく寄与してきたことは、言うまでもありません。先輩諸兄が継承されてきたこの関係を、一年一年途絶えることなく大切に継承していくことは、今後の倉敷青年会議所の発展、また地域の発展に大きな鍵となることと考えます。

また、我々が住み暮らし運動や活動を展開するこの倉敷市には、倉敷青年会議所の他に、明るい豊かな社会の実現を目指し、同じ目的で歩み続けている、一般社団法人児島青年会議所、一般社団法人玉島青年会議所があります。一つの市に青年会議所が三つあるということは、全国を見渡してもとても珍しく、心強く感じます。この三つの団体が、力強く信念を持って運動を展開することで、我がまち倉敷が明るい豊かな社会の実現に向けて一歩ずつ進んでいくはずです。だからこそ、メンバーは積極的に交流を図り、友情を育み、各地域の問題点の創出や意見交換を行い、良き理解者として切磋琢磨することで、各地域の発展の醸成につなげる必要があります。

結びに

我々は、これまでの先輩諸兄の功績に感謝しつつ、この伝統ある倉敷青年会議所をどのように継承し、進化させていくかを考えなくてはなりません。先輩諸兄が築いてこられた志は受け継ぎつつも、組織の形態や運動の内容は時代に即した形へと見直す勇気が必要です。青年会議所に求められる運動とは何かを時代の変化とともに自問自答し、地域とのつながりを持ち、会員が一丸となって新たなステージへと挑戦することが重要です。変化を恐れず、柔軟に対応し、困難な場面に遭遇しようとも諦めず歩み続けます、諦めればそこで歩みは止まってしまいます。だからこそ我々は歩み続けなければなりません。明るい豊かな社会の実現に向けて。それが我々に与えられた責務なのです。