理事長所信

2017年度スローガン

 

共生の心でつながる活力ある倉敷の実現


〜心一つに未来に輝く倉敷をともにつくりあげよう〜

基本理念

美しい精神で倉敷の未来を創造する

基本方針

人材育成室 心一つに進化し新たな魅力を創出する人材育成

広報発信室 積極的な情報発信と心あるリーダーの育成

郷土共生室 中国地区の交流と好感の持てるまち倉敷の体験

地域交流室 高め合う協働体制の実現と活力ある地域の創造

組織運営室 規律強化で実現する品格ある組織体制の構築

理事長所信

第二次世界大戦後、日本が焼野原からの復興をとげ、世界第2位の経済大国となった背景には日本人の勤勉さや外国からの技術を学び発展させる器用さに加え、人口の増加が大きな要因としてありました。しかし、少子高齢化を迎え、2050年には人口が1億人以下になることが確実となる中で、日本の経済成長の鈍化や地方の疲弊は避けられない状況にあります。国策では地方創生が進められていますが、独自の特色を生かした対策をとることが遅れた地方は、日本の中で取り残される危険性もあります。人口1億人を超える先進国が急速な人口減少により少子高齢化社会を迎えるという世界でも初めての国となる日本は、国にとっても、地方にとっても未来を左右する試練の時と言えるのではないでしょうか。 2017年で62年目を迎える倉敷青年会議所は創立当初の物質的に貧しかった時代から、「明るい豊かな社会の実現」を目指し、常にその時代が抱える諸問題の解決に弛まない努力を続けてきました。敬愛する先輩諸氏のこれまでの数限りない功績と倉敷青年会議所という掛替えのないステージを引き継いできていただいたことに最大限の敬意と感謝を表しつつ、私たち青年会議所会員は多様化する時代に「英知と勇気と情熱」を持って精進し続ける必要があります。JCがあるという時代からJCもあるという時代に変わったと言われるように、NPOやNGOなど多くのまちづくり団体が活躍しています。それぞれが独自の視点を持ち、異なった角度から活動を行っていますが、倉敷を良くしようという志はどの団体も同じではないでしょうか。これまでに無い発想や捉え方によって新しい価値を生み出すことや、既存の価値を新しい組み合わせで結合させるイノベーションと同様に、志を同じうする他団体や行政、メディアなどとの積極的な意見交換や協働は、新たな取り組みや地域へ大きなインパクトを与える力を生み出す原動力となります。難しい時代だからこそ、大きな問題に直面している今だからこそ、周りにある壁を壊し、倉敷を想うもの同士が力を合わせることで必ず乗り越えていけます。そして、変革の能動者として、新たな価値を生み出す先駆者として、その先頭にたって実践し続けることができるのが、私たち青年会議所です。

まちづくり運動について

少子高齢化が進み、人が都市部へ流出することで人口減少に歯止めがかからず自治体運営が破綻する消滅可能性都市の問題は他人事ではなく、私たちの生活に直接的に影響し、国の力をも弱体化させる大きな問題であることを認識する必要があります。地域の活性化は、一時的な盛り上がりを目的としたイベントではなく、持続可能性を最優先に考えた運動の上に成立すると考えています。目新しいものはいずれ飽きられ、ただ楽しいだけのイベントは地域の活性化を促せるほどの影響力を持ちません。地域の個性と多様性が活性化の鍵となる中で、倉敷はすでに農林水産業、工業、製造業、観光などの分野において優れた個性的資源を持っています。しかし、私たちが今ある資源に満足してしまうことは、地域が後退することへの第一歩となりかねません。私たちが持つ資源にイノベーションを起こし、時代に即したかたち、未来につながるかたちを見出すことで、先を見据えた運動を展開していく必要があります。複数の異なった価値を組み合わせることによりイノベーションを起こし新たな価値を生み出すことで地域の活性化を促進します。

ひとづくり運動について

バブルの崩壊やリーマンショック、大手企業の不祥事などを鑑みると、今の利益至上主義の資本主義社会が限界に達していることは明らかです。企業は自社の利益を重視し、従業員や社会の為に行われるべき経済活動が第一義的に株主利益の為に行われ、一部の投資家や株主が大きな利益を得ることで富裕層はさらに裕福になる一方、貧困層は十分な教育やチャンスが与えられず、社会的な貧富の差が広がっています。日本の企業は本来、「世の為人の為」、「三方良し」といった精神で経済活動を行ってきました。それは、日本人が持つ共助の心や人に恥じることはできないという日本古来の精神からくるものではないでしょうか。元来、日本人は自然の中に生かされているという考えを持ち、自然に対抗するのではなく自然と共に生きる道を見つけ、自然からの恵みに感謝をしてきた民族です。その中で育んだ集団の中での協調や自然との共生を目指す精神は、利益至上主義の資本主義社会が限界に達している今だからこそ、解決の糸口の一つとなります。この日本人特有の美しい精神を持ち合わせた地域や会社のリーダーを育成することで、将来的な倉敷の経済発展や地域コミュニティーの活性化につなげていきます。

青少年の育成運動について

今、子どもたちを取り巻く環境は多くの情報が溢れ、未来へ自由な選択肢が与えられた半面、どの道を進んでいいのかを迷う子どもも多いのではないでしょうか。さらに、これからの子どもたちの未来は課業のオートメーション化が進み、人口知能が人間の仕事の多くを担うことになると言われています。また、「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」という予測をしている研究者もいます。このことから、これからの子どもたちは、これまでの社会に必要だった任務を正確に遂行する能力を持った人材から、新しい価値を創出する能力や、新たな問題を解決する為の創造力を備えた人材に成長することが求められます。その為に は、子どもたちが一方的に与えられる知識を学ぶのではなく、子どもたちが双方向的な学びを通じて能動的に考え行動することを促し、問題に対して他者との協調を図りながら創造力を持って解決策を生み出すアクティブラーニングを推進し、厳しい時代に生き甲斐を感じ、社会で先頭に立って活躍できる、子どもたちの生き抜く力を育成します。

中国地区コンファレンスの主幹について

25年ぶりに倉敷での中国地区コンファレンスの開催が決定し、私たちは倉敷の魅力を中国地区全体に発信する貴重な機会を与えられました。一人でも多くのメンバーに来ていただけるよう開催のPRを行うと同時に、観光・食・宿泊体験を通じて倉敷の魅力を最大限に発信し、一人でも多く倉敷のファンが増えるような中国地区コンファレンスとします。 2016年4月に熊本地震が発生した際は、中国地方から多くの支援物資が届けられ、その迅速な行動に感動を覚えたと同時に、中国地区に広がるJCのネットワークの大切さと意義を認識しました。本年度はこれまで以上に、未曾有の災害時や救援が必要とされる際に組織が一丸となって迅速に行動ができる強固なネットワークの構築を図ります。また、中国地区というスケールメリットを生かした価値、つまり互いに学び合うことで生まれる 可能性と魅力を倉敷の特色を生かしながら見出し、それを多くのメンバー間で共有することで、各地の発展と中国地区自体の発展を目指します。義務として参加するコンファレンスではなく、一期一会の精神を持ち、中国地区全メンバーにとって意義のある中国地区コンファレンスを設営します。

広報活動・渉外業務について

私たちの運動を広く倉敷市民に広げるということは一つの大きな課題となっています。しかし、多くの媒体を活用しているにも関わらず、事業への集客や認知度の向上に大きな成果をあげられていないのが課題です。短期での成果を求めることはできませんが、常に改善を繰り返しながら新しいことへ挑戦していく精神も必要です。現在、多くのSNSやメディア媒体がある中で、多くの人や団体が情報や活動を発信しています。その中で同じように情報や活動を発信していても膨大な情報に埋もれ大きな成果を期待することはできません。私たちは単に情報を発信する団体でもなければ、運動を宣伝するだけの団体でもありません。私たちは目標と信念を持って公益に資する団体です。一人でも多くの人に共感してもらえるよう、また一人でも多く同じ志を持つ仲間を増やすことが、広報の観点からの青年会議所運動なのではないでしょうか。その為には、運動の発信に止まらず、私たちの目的や信念を発信することが重要です。また、一人でも多く地域の人に認知をしてもらう為には、積極的に地域の人や団体との距離を縮めることが重要であり、それは共感しあえる人やファンをつくることにつながるはずです。地域での奉仕活動や協力を通じて、 少しずつながらも確実に倉敷青年会議所のブランド力を高めると同時に共感を得る情報発信により倉敷青年会議所のファンをつくります。

新会員の研修について

新会員の研修は、青年会議所活動の重要な柱の一つです。研修期間では、青年会議所の目標や三信条を基礎に展開する運動の意味をしっかりと学び、同時に倉敷青年会議所で運動を展開していく上で大切になる知識とスキルを身につけます。また、伝統的に研修委員会が大切にしてきた緊張感と妥協しない精神を本年も継続することで、新会員には掛替えのない時間を経験していただきたいと思います。また、代々引き継がれてきたものを大切にしながらも、時代に合わせて進化することも忘れてはいけません。例えば、日本青年会議所やJCIは会員に学びの機会や効率の良い事業を行えるように、多くのセミナーやプ ログラムを用意しています。しかし、これを倉敷青年会議所が上手く活用しているとは言えない状況です。委員会内で自己研鑽に励みながらも外部からの学びも取り入れることで、より高度な事業を行い、地域に貢献し、豊富な知識と多様な視点を持つ人材を育成します。

会員の交流について

会員の交流は、常に新しい発見や会員相互の友情を生み出し、青年会議所運動の基盤を強化するものです。それぞれが高い志を持っていても、一つの力として結集できなければ大きなインパクトを生み出すことはできません。会員同士が有意義な時間を共有することで、目標に向かってベクトルを合わせ、一丸となって活動できる一助とします。また、私たちは内部の強固な組織を構築しながらも、外部との交流を深め、良きところは学ぶことで団体としての進化を目指し、個人の新しい交流を持つことで地域に新しいエネルギーを生むと考えます。懇親を深める会の開催や互いに学ぶ機会等を通じて内外での交流を深め、倉敷青年会議所としての存在意義を再認識し、団体としてさらなる高みを目指します。

組織運営について

公益社団法人格を取得した当初は手探りであった運営も、監査を経たことでこれまでの運営の正当性を確認することができました。今後、公益社団法人としてさらに運営の強化を目指していく為には、総務としての役割を明確化することで組織としての規律を守り、円滑な運営を行っていく必要があります。議案における予算の編成は重要であり、しっかりと議論されるべきです。また、今後は事業を計画する中で何がコンプライアンス違反になりうるのかを考えていく必要があります。規則によって束縛するのではなく、知らず知らずのうちに誰かに不利益を被らせることになることへの会員の意識の改革が必要です。例年通りの理事会運営や常任理事会運営を行いながらも、事前の協議として「財政審査」と「規則審査」を総務の役割として強化することで、円滑な会議の運営や事業の遂行を図ります。そして、理事会等の会議の中では予算に費やす時間を最小限に抑え、根本的な事業内容の議論が深められる会議の運営を行います。

会員の拡大について

私たちのミッションには、青年会議所運動や活動を通じた自己成長だけでなく、若者に対する積極的な自己変革の機会の提供も含まれます。私たちは青年会議所に所属しているからこそ行ける場所、見えるもの、会える人を通じて、意識的、あるいは無意識的に多くのことを学んでいるはずです。また、会員にとっては当たり前のことでも、青年会議所に入会していない人にとっては、青年会議所での経験はその人の人生を良い方向へ大きく変える機会となるかもしれません。青年会議所は、その全てが負担ではなく人生における負荷であり、志を同じうする仲間が切磋琢磨できる最高の学び舎です。一人でも多くの若者が青年会議所の門をたたき、このステージを最大限に生かして人生の糧とできるよう、私 たちには青年会議所の和を広げていく義務があります。

例会について

例会は倉敷青年会議所の方向性や会員同士の親睦を深め、各運動を効果的に行う為に重要な機会であり、その機会は会員全員に与えられ共有すべきです。しかし、例会担当の委員会は設営が負担になり、この枠に入ることができないという課題があります。そこで本年度は、例会を専属で担当する委員会を休止し、各委員会が分担して例会を設営することで、その機会を平等に得られる体制とします。これにより、会員全員の意識統一を図ることができ、倉敷青年会議所の運動をより一層効果的に実行することが可能となります。また、例会の設営に全ての会員が携わることによって、各会員がこれまでとは違った視線から例会を捉える機会となり、例会に臨む姿勢や例会の運営自体に積極的な変革をもたらす ことが期待できます。

防災・災害復興支援について

倉敷はかつて高梁川の氾濫により甚大な被害を受けたという歴史がありますが、現在は高梁川周辺の整備が進み、災害の心配は少なくなっているかもしれません。しかし、昨今「想定外」という言葉が象徴するように、安全という基準は存在しても、その基準が絶対的な安全を保証するものではないことを認識する必要があります。愛する家族や大切に思う仲間、当たり前に手に入る水や食べ物、いつでも使えると思う通信機器や家電といった常に身近にいて、あって当然なものが、一瞬にして水に飲み込まれた時、大きな地震によって失われた時、私たちは何を考えるのでしょうか。東日本大震災の経験は私たちに「いのち」について考える機会を与えてくれました。備えることの大切さを教えてくれました。暴徒化しない日本人が世界から称賛される中で、現地では苦しい状況に歯を食いしばって耐えている人達がいたことを私たちは忘れず、備えることを怠ってはいけません。2016年の熊本地震の際、震災発生から数日後には1000ケース以上の水を被災地に送ることができる行動力と決断力が倉敷青年会議所にはあります。また、全国各地に広がる697青年会議所約35000人のネットワークがあります。災害時には青年会議所が先頭に立って支援にあたる覚悟で強固な災害ネットワークの確立と被災地への迅速かつ確実な支援を行います。

姉妹交流について

公益社団法人山形青年会議所とは1965年に、ハワイホノルル日系人青年商工会議所とは1985年に姉妹縁組を締結しています。長い年月を経て築いてきた友情を今は当然に感じてしまいがちですが、インターネットや携帯が普及していなかった締結当初を考えると、諸先輩方の当時の苦労と長い間人との繋がりを大切に思い姉妹関係を続けてきていただいたことに感謝をしなければなりません。地方創生の流れから、地方の個性を生かした発展が求められる中で、生まれ育った場所の魅力を客観的に捉え生かすことは容易ではありません。それは外からきた人にとっては特別な存在であっても、私たちにとっては当たり前に存在しているものだからです。県外、国外の異文化や歴史、人や食に触れることで視野を広げ、感性を磨き人として成長するだけではなく倉敷の魅力に気付き伝える人材の育成を行います。また、交流を通じて学び合い、お互いを理解しあうことで友情を深めながらも、互いに切磋琢磨することを忘れず、共に成長しあえる関係を築きます。

終わりに

先人を敬う誇り高き日本の青年として、今に見本となる品格ある青年として、未来に責任を持つ自信溢れる青年として、私たちは「明るい豊かな社会の実現」を目標に運動し続けなければなりません。困難な時代だからこそ、手を取り合い助け合う共助の精神を持ち、ライバルは敵ではなく互いを高める良きパートナーとして認め合い、価値観の違いは新たな価値を生み進化する原動力と捉えます。私たちは、そのような青年のトップリーダーとして常に自己成長を続けながら、積極的な変革を私たちの周りに与え続けることができる唯一の存在です。そして、倉敷に住むすべての人が共感や信頼といった目に見えない価値で繋がり、切磋琢磨する中でも共生の心を大切にすることで、本当の意味での地方創生が実現し、活力ある倉敷となると確信しています。そして、その実現は、いつの時代も、私たち青年に与えられた使命なのです。